事例紹介 Case study

神奈川県 平塚市庁舎 旧議事堂外壁プレキャストコンクリート彫刻 写真1
神奈川県 平塚市庁舎 旧議事堂外壁プレキャストコンクリート彫刻 写真2
神奈川県 平塚市庁舎 旧議事堂外壁プレキャストコンクリート彫刻 写真3

神奈川県 平塚市庁舎
旧議事堂外壁プレキャストコンクリート彫刻

コラボレーションの事例

建築外壁彫刻をモニュメントとして制作した事例

平塚市庁舎及び議事堂は、建設されてから50年余りが経過し、老朽化が進んだため、新しい庁舎を建設することとなり、庁舎とともに議事堂も取り壊すことになりました。
議事堂の外壁の彫刻は、長年に渡り市民に親しまれてきた平塚市を代表するパブリック・アートであったことから、彫刻の一部を保存し記念碑として記憶にとどめることになりました。
彫刻の一部を保存するにあたり、㈱アンスでは、事前調査から設計協力、記念碑の制作・設置に携わりました。

平塚市庁舎

平塚市庁舎

旧庁舎の記憶の継承

旧議事堂の壁面に装飾されていたコンクリート彫刻「静と動」(作者:故 小野襄氏)を移設し、新たな作品として蘇らせました。

東面使用部分
西面使用部分

小野おの じょう(1929〜2000)

絵画、彫刻、建築及びデザインと幅広い分野で制作活動を続け、多くの作品を発表するとともに、造形学及びデザイン学に関する研究活動と執筻動を続け、総合芸術に挑んだ芸術家でした。特に、新しい視点を持ったデザイニングプログラム「ONOJIN」を発表し、一世を風靡しました。また、日本大学教授及び東京造形大学嘱託教授として、建築やデザインの分野における新しいデザイン教育を提唱しました。

事前調査から記念碑 制作までの流れ

1.事前調査

  • 使用するピースのコンクリート劣化調査
    (コア抜き・鉄筋探査・クラック・浮き、など)
  • 測量・図面の作成
  • 記念碑の形状検討
  • 構造計算
  • 仮組み
  • 修復の際に必要なゲージ制作

2.記念碑制作

  • クラックや欠損部の補修
  • グラウト充填
  • 左官仕上
  • 表面エージング仕上
  • 本組み
  • 現場へ設置

彫刻の一部を保存するにあたり、形態が連続する部分のピースを条件とする取り外し工事は難航を極めたようで、置き場には劣化が著しい状態で保管されていました。
コンクリートの劣化状況を、コア抜きや鉄筋探査で調査した結果、東面から3ピース、西面から2ピースが活用可能となり、記念碑に活かすことになりました。作品の一部分の展示ではありますが、当時の壁面彫刻のスケール感と実在感を感じる記念碑となっています。

置き場写真

仮組みと原寸取り

ゲージで安定させて、修復作業を行った

東面使用部分

西面使用部分

コラボレーションの事例

Data

神奈川県 平塚市庁舎
旧議事堂外壁プレキャストコンクリート彫刻
建築外壁彫刻をモニュメントとして制作

  • 施主:平塚市
  • 設計:株式会社佐藤総合計画
  • 完成:平成29年12月
  • 住所:神奈川県平塚市浅間町9番1号
  • 最寄り駅:JR東海道線『平塚』駅北口を出て北へ直進約750m

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