コラボレーションの事例
須賀川市は、東日本大震災によって未曾有の被害を受け、多くの公共施設を失いました。
このような状況を踏まえ、市民に自信と誇りを取り戻してもらい、 こども達に夢と希望を与えるため、創造的復興を目指し、老若男女問わず様々な市民が集い、交流 ・活動し、ふるさとの良さを再発見するとともに新たな文化を創造発信していく市民文化復興のシンボルとして、須賀川市民交流センターtetteは整備されました。
その中の一部である「わいわいパーク」(室内遊び場)の、ネット遊具となみなみ床を㈱アンスが設計、製作、施工を行いました。
Photo by Kawasumi・Kobayashi Kenji Photograph Office
市民交流センターは、東日本大震災で甚大な被害を受けた中心市街地の再生、活性化のため、震災によって使用不能となり取り壊された総合福祉センターに代わる新たな施設として整備したものであり、「市民文化復興のシンボル」、また「中心市街地活性化の中核施設」としての役割を担うものです。
本施設は、「人を結び、まちをつなぎ、情報を発信する場の創造」を基本コンセプトとした、図書館や生涯学習、子育て支援、市民活動支援、市民交流、賑わい創出など、多くの機能を有する複合施設であり、様々な世代、立場、目的を持った人々が集い、交流し、活動することによって、街なかに賑わいと活気が生まれ、その活力が市全体に波及していくことを期待しており、中心市街地のみならず「地方創生」、「地域活性化」の拠点となることを目指しています。
※すかがわ、めぐるめく 2019春 第4号より引用
畝森泰行建築設計事務所より提供
市民交流センターは、5階建で、各フロアに図書館等の機能が振り分けられていますが、単に階層で機能を振り分けているのではなく、それぞれの機能が有機 的に関係するように構成されています。子育て支援機能を担う「こどもセンター」は2階部分におかれ、子育てを支援する機能が集約されています。
子供たちが安全に公園のように遊べる「子供の大地」として計画。2階、3階の吹き抜け空間をそのスペースとし、2階部分の床=グランドフロアーは床にゆるやかな起伏があり(なみなみ床)、起伏の間に様々な遊びの要素が点在し、寝転がったり、走ったり思い思いに遊ぶことができます。その頭上には、ネットを立体的に張り巡らせ、利用年齢のすみわけをし、見上げるとネット遊具で遊んでいる子供たちが見える開放的で楽しい空間を作り出しています。
隣接した屋外テラスは屋内と一体的に使うことができ、砂遊びや水遊びを可能にします。
ネット遊具(ぴょんぴょん床)は、従来に無い意匠、構造の為、模型による検証を行い、試作した特注ワイヤーと交点金物の性能試験や人が乗った際のネットのたわみを実物大のスケールで実験検証し設計をまとめました。
意匠、あそびの価値、安全性の確認
建築側への荷重・遊動荷重の偏心時の確認・ネットのたわみ量
※協力:芝浦工業大学
ケーブル交点金物のボルト締め付け力と引張耐力の関係を確認
たわみ量の測定
ネット取付け方法
長さ調整
※協力:アミロン
鉄筋造形、左官造形、ゴムチップ敷き詰め、ウレタン塗布
なみなみ床からネット遊具へ向かう動線
なみなみ床の下のトンネル
砂場
わいわいパークの様子