事例紹介 Case study

山形県 酒田市 飯森山公園 ぼうけん広場

山形県 酒田市 飯森山公園
ぼうけん広場

設計・製作の事例

第35回 都市公園等コンクール 材料・工法・施設部門
国土交通省都市局長賞を受賞

受賞作品
一覧
一般社団法人 日本公園緑地協会ホームページへ(PDF)
受賞作品
概要
一般社団法人 日本公園緑地協会ホームページへ(PDF)

地域の歴史や伝承をテーマとしたモルタル造形遊具の事例

山形県酒田市にある飯森山公園は、土門拳記念館に隣接する総合公園です。
公園長寿命化等整備事業として、整備の対象となった冒険広場には、大人気のローラー滑り台(約50m)や木製複合遊具がありました。これらの遊具は、設置から 20年以上経過し劣化が著しく、十分な安全性の確保が難しい為、全面的に更新することとなりました。
整備にあたり、飯森山ならではの歴史や伝承をテーマに設定し、物語性のある広場として、それらが未来に受け継がれていくことを目指した施設づくりを行いました。

飯森山の歴史や伝承をテーマとし、コンセプトからデザインへ

方針

  • 飯森山公園にしかない独自性の高い遊具広場を整備する。
    • 計画テーマを設定し、これに基づく統一的な整備を行う。
    • 地域の伝承や歴史的事項を踏まえ物語性をいかした施設整備を行う。
    • 樹林で囲まれ周囲から隔絶した冒険広場の地形を活かした施設整備を行う。
  • メンテナンスを行うことで、50年以上の長寿命遊具として使用できるものを中心とした施設整備を行う。

アジサイの花

計画テーマ

「飯森山の伝承と里山の動植物との共生」
酒田の礎となる飯森山やその周辺地域に因んだ伝承や生活文化を踏まえ里山の動植物との共生のこころを伝える為に、物語性のある整備を行い、独自性のある遊びの世界を展開し、家族連れを初めとして様々な人々の利用を促進し、さらにそれらが未来に受け継がれていくことを目指した施設づくりとする。

ハスの花

遊具デザインコンセプト

「祈りのお山と彩りの里山」
計画テーマを具体化するため飯森山の名前の由来、公園の名物である花、酒田市の伝統工芸品をモチーフとし、緑に囲まれた冒険広場に鮮やかな「彩り」の遊具群をデザインする。色彩心理的に黄色、オレンジ、ピンク、青など子どもたちの心を楽しく、元気にする色を配色する。

傘福(写真左)/絵ロウソク(写真右)

デザインモチーフ

  • 名の由来:弘法大師が頂上に護摩壇を築き、七日七夜祈願したことから「祈り山」といわれる説。
  • 花:アジサイや歴史的に貴重な古代ハスなど。
  • 歴史・伝統工芸:酒田の開祖徳尼公と36人衆の歴史や日本三大つるし飾り「福傘」、色鮮やかな「絵ローソク」など。

傘福のモチーフ

施設デザイン

飯森山公園 ぼうけん広場 みんなで遊ぼう

模型とモザイクタイル

フラワーキャッスル:立体的に遊びや安全性を検討しつつ、酒田の伝承モチーフをモザイクで取り入れる。

アニマルステップ:動物の軌道を抽象的に表現している。

イーモリモリの木:外観から内部空間まで細かく作り込む。その後、シェープゲージで形を写し取り、図面化する。

モザイクタイルは手作業で並べる。

平面配置計画

遊具の配置は平場部分の少ない地形を生かすため、既存の遊具を撤去した跡に設けている。改修前は平場部分の複合遊具とローラーすべり台のスタート台が関連付けられずに設置されていた。今回の計画ではこの点を改善し、フラワーキャッスルから丘上のイーモリモリの木(ローラーすべり台のスタート台)へと誘導する動線を計画している。
イーモリモリの木は背景の樹林から浮き出して見え、丘上へ登るモチベーションを起こさせる。そこへ向かうルート上に古代ハスの花、アニマルステップを配置し、ローラーすべり台を滑り降りてフラワーキャッスルへ戻る遊びの連続したルートを作り出している。

その他、ぼうけん広場の写真

ぼうけん広場のサイン

フラワーキャッスルの階段

設計・製作の事例

Data

山形県 酒田市 飯森山公園
ぼうけん広場

  • 施主:山形県酒田市
  • 完成:平成 31年 3月
  • 基本計画:株式会社アンス
  • 実施設計:出羽測量設計株式会社
  • 元請:
    羽前建設株式会社(平成29年)
    林建設工業株式会社(平成30年) 
  • 遊具製作:株式会社アンス
  • 住所:山形県酒田市飯森山2丁目13番街
  • 最寄り駅:『JR酒田駅』より車で15分

事例PDFをダウンロード

事例一覧に戻る

このページの先頭へ