設計・製作の事例
シルエットウォールとは、表面に記号的な人型やマークなどのシルエットをデザインし、サインとしてその場所をシンボル的に表現したオブジェです。高度造形モルタル製で、モザイクや鋳物のレリーフ、照明などを用いることで変化に富んだ展開が可能です。
施設のエントランスなどに設置することで場所の印象を強め、フォトスポットとしての利用など訪れた人たちと壁との関わりに多様な体験が生まれます。
アンスが製作したシルエットウォールの事例をご紹介いたします。
大井ふ頭中央海浜公園
久宝寺緑地 ウェルネス広場
大井ふ頭中央海浜公園「スポーツの森」エリアは、様々なスポーツ施設が整備されています。2020年の東京オリンピックではホッケー会場となり、「ホッケーの聖地」として知られています。公園に面した中央海浜公園通りは、オリンピックの開催に合わせてメインエントランスが設けられました。
シルエットウォールの設置が計画された場所は、大井競馬場前駅や八潮団地方面から公園に向かう際の主動線となる交差点の歩道部分です。歩道部分は、奥行きがありテニスコート側が暗いため、夜間にシルエットウォールをライトアップすることで存在感を際立たせる計画としました。
シルエットウォールのデザインは、公園の特徴を象徴的に表すため、「スポーツの森」で主軸となっているホッケー・野球・テニス・陸上競技をモチーフとしてデザインすることになりました。なかでもホッケー場はオリンピックのレガシーであり、シルエットウォールにそれを表現することは重要な意味がありました。
ホッケー・野球・テニス・陸上の4競技をそれぞれ1枚ずつ計4枚の壁を等間隔に配置して構成しています。なかでも重要な競技であるホッケーのスティックを、壁に繋がりを持たせる要素としてデザインし、ライン照明を設けました。斜めに角度をつけることで、スピード感を表現しています。
壁本体は人造石とペイント、人型のシルエットはモザイク、手に持つバットやラケットは鋳物とし、素材を複合させた立体感のあるデザイン表現としています。また、通り抜け穴、顔出し穴、覗き穴など開口サイズを変えた穴を設けることで、眺めるだけでなくフォトスポットとして楽しめるデザインとしました。
写真を撮る通行者
①蓄光石の検討
仕上げのモルタルに骨材として蓄光石を使用し、ほのかに光る仕様になっています。モルタルと蓄光石の配分や、蓄光石の粒径による見え方の違いを検討しました。
②アルミ鋳物
バットやラケットは鋳物で製作しており、金色の塗装をしています。青色を基調としたデザインの中でアクセントとなっています。
蓄光石
アルミ鋳物(バットの柄の部分)
蓄光石
大井ふ頭中央海浜公園は、スポーツや野鳥観察・釣りが楽しめる海上公園です。敷地面積は約45haあります。
「スポーツの森」と「なぎさの森」があり、「スポーツの森」は陸上競技場や人工芝グラウンド、野球場などが備えられた都内有数のスポーツ公園で、多くのスポーツに親しむことができます。
「なぎさの森」には豊かな自然があり、野鳥観察や釣り、バーベキューなどが楽しめます。多様な人々が楽しみ、憩える公園となっています。
陸上競技
野球
テニス
ホッケー
陸上競技
野球
テニス
ホッケー
健康増進広場「ウェルネス広場」への導入施設として設置が計画されました。導入動線は2ヶ所あり、それぞれにシルエットウォールと平均台ベンチを設けました。「ウェルネス広場」のテーマ「誰もが楽しみながら運動し、交流できる健康広場」に基づいて、シルエットウォールは運動を抽象化したデザインのなかから「アクロバット」と交流を象徴する「ハート」のデザインが採用されました。
平均台ベンチは、楽しみながら運動するイメージを緩やかな曲線で表現しました。
ウェルネス広場平面図
シルエットウォール
平均台ベンチ
久宝寺緑地は、大阪府八尾市西久宝寺、東大阪市大蓮南、および大阪市平野区加美東にひろがる都市公園です。面積は48.1 ha、約946台分の駐車場を備えています。遊具広場やプール、野球場など多彩な施設が整っています。
アンスの製品が設置された場所は、新しく計画されたウェルネス広場というエリアです。10基の健康遊具や、八尾市の特産品である枝豆を模したオブジェなどが設置されています。